9月30日に知事選挙を実施
今後の知事選までの流れについて関連法令とともに解説します。
(free-photo.netより)
8月8日に翁長知事が死去
12月9日の任期まで4ヶ月のところで、沖縄県知事の翁長雄志氏が8日、膵臓(すいぞう)がんのため死去しました。
辺野古移転に関する最近の動き
米軍普天間飛行場の返還に伴う名護市辺野古への新基地建設への反対を訴え、2014年の県知事選で初当選。新基地建設に最後まで反対し、7月27日には県庁で会見し、前知事による辺野古の埋め立て承認を撤回する手続きに入ると表明。(これが最後の登庁となったようです)
知事選への与野党の動き
このような中、翁長知事は2期目を目指し、知事選挙に立候補するかどうか態度を明らかにしてこなかった。そのため、共産や社民など県議会与党は、9月県議会での立候補表明を前提に準備を進めていまいた。
一方、与党自民党側は佐喜真淳(さきま・あつし)宜野湾市長(53)を候補として一本化しており、公明や日本維新の会も全面支援する見通しです。
与党は着々と準備を進めている一方、野党はシナリオが崩れ、早急な候補者擁立が必要となってきました。
知事が死亡した場合の公職選挙法の定め
現職の知事が死去することは稀なことですが、今回このような事態となりましたので、法律上どのような手続きが進められるのかを調べて見ました。
まず、知事が欠けた(死亡)した場合の最初の手続きは、公職選挙法第111条により次のように定められています。
第百十一条(議員又は長の欠けた場合等の通知)
衆議院議員、参議院議員若しくは地方公共団体の議会の議員に欠員を生じた場合又は地方公共団体の長が欠け若しくはその退職の申立てがあつた場合においては、次の区分により、その旨を通知しなければならない。
四 地方公共団体の長については、その欠けた場合には欠けた日から五日以内にその職務を代理する者から、その退職の申立てがあつた場合には申立ての日から五日以内に地方公共団体の議会の議長から、当該都道府県又は市町村の選挙管理委員会に
副知事が職務代理となっていますので、副知事が5日以内に沖縄県選挙管理委員会に知事が死亡し欠けた旨を通知します。
その次に、公職選挙法34条に選挙までの日数の定めがあります。
第三十四条(地方公共団体の議会の議員及び長の再選挙、補欠選挙等)
地方公共団体の議会の議員及び長の再選挙、補欠選挙(第百十四条の規定による選挙を含む。)又は増員選挙若しくは第百十六条の規定による一般選挙は、これを行うべき事由が生じた日から五十日以内に行う。
まとめると、知事が死去した事実を5日以内に通知し、選挙管理委員会はそれから50日以内に選挙を実施することとなります。
つまり、最も遅い手続きの場合、10月2日(火)までに選挙を実施することとなりますが、9月30日(日)が濃厚ではないかと予想していましたが、予想どおり30日投開票となりました。
その理由として、選挙はなるべく遅い方が、候補者が決まっていない、野党や基地反対派には準備期間が長くなるので、有利になるからです。
また、告示の日程は同じく34条で
6 第一項の選挙の期日は、特別の定めがある場合を除くほか、次の各号の区分により、告示しなければならない。
一 都道府県知事の選挙にあつては、少なくとも十七日前に
とありますので、17日前の9月13日に告示されます。
過去に現職の知事が死亡した時の選挙日程は?
現職の知事がなくなった事例は、平成6年2月2日の中西陽一石川県知事の事例があります。法が定める最も遅い選挙実施日は3月29日となります。
実際に選挙が行われたのは3月27日ですので、ギリギリの選挙となっています。