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「ベストファンド2017」【国内債券編】〜儲かる投資信託の選び方〜

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 「ベストファンド2017」第4弾は国内債券編です。引き続き、どのファンドに投資すべきかについて考えていきます。 

 なお、第1弾はJ–REIT編、第2弾は先進国株式編、第3弾は国内株式編

でした。

手数料・運用実績による評価

 比較する銘柄はSBI証券が販売するファンドのうち、ノーロード(手数料なし)のものに限定し、比較検討しました。

 よって、表中の手数料等はSBI証券で購入した場合の数値となります。 

インデックス型

対象とする指数は4種類

 国内債券インデックス型が連動を目指す主な指数は次の4でした。馴染みのないインデックスですので、それぞれを次の記事でまとめておきました。

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 どのインデックスを選ぶかについても上の記事で触れています。国内株式に続いて、国内債券でも難しい問題です。低金利が続き、これまで国債により運用してきた、生保も貯蓄性の保険から撤退したり、返戻率を落としたり、利益が出る商品ではなくなってきたからです。

  しかし、国債は長期金利と短期金利の差、そしてマイナス金利であっても日銀という買い手がいる限り利益は多少なりとも出ます。その仕組みは次の記事で説明しています。

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ファンドの抽出条件

 国内債券に投資する投資信託のうち、インデックス型かつノーロードのものを抽出しました。結果、該当するファンドは16しかなく、数の少なさに驚きました。

 そして毎回になりますが、インデックス型を選ぶときの絶対3条件は、

  • 手数料が安いこと
  • 対象指数との乖離が少ない運用を行っていること
  • 分配金頻度が少ないこと

だと考えています。

 この3つの条件はほとんどの投資家が銘柄選びに用いる鉄則です。しかし、私は分配頻度が少ないものを選ぶ考え方としては「手数料が高くなるから」という理由に加えて、「NISAで運用する場合、分配金は年間の非課税投資可能額を圧迫するから」も理由としています。 

 今後、積立NISAが始まると分配頻度の大きいファンドは投資対象にならないようなので、これらは選ばないこととします。

インデックス型・手数料昇順3ファンド+物価連動国債

 表はトピックス連動型のファンドを信託報酬の安い順で3位まで、過去1年間のトータルリターンが優れている1ファンドを表にしたものです。

ファンド名略称 委託会社 ベンチマーク 純資産(百万円) 販売金額ランキング 信託報酬 信託財産留保額 トータルリターン(6ヶ月) トータルリターン(1年) トータルリターン(3年)
eMAXSlim国内債券 三菱UFJ国際投信 NOMURA-BPI 総合 22 114 0.1512%以内 0%      
ニッセイ国内債券インデ ニッセイ・アセットマネジメント NOMURA-BPI 総合 4,863 47 0.1566%以内 0% -1.76 -0.51  
たわらN国内債券 アセットマネジメントOne(旧DIAM) NOMURA-BPI 総合 1,411 117 0.162% 0% -1.72 -0.4  
三菱eMAXIS物価連動 三菱UFJ国際投信 NOMURA 物価連動国債インデックス(フロアあり) 1,137 120 0.432 0 0.29 0.76  

(SBI証券より(2017/3/10現在))

2017年選ぶべき銘柄

 結果2017年に選ぶべき銘柄は1位から順に3位まで

  1. eMAXIS Slime 国内債券(手数料0.1512%)
  2. たわらノーロード国内債券(手数料0.162%)
  3. eMAXIS 物価連動国際インデックス(手数料0.423%)

 1位は手数料のみで選びましたが、2位は手数料ではなく実質手数料が安かった「たわら」を選びました。1位の「eMAXIS Slime」は発売間もないため実質手数料がわかりませんが、今後実質手数料が高いようであれば「たわら」を1位に変更する可能性もあります。

 3位の物価連動債は運用実績で選びました。他のインデックス型と異なり、過去1年のトータルリターンがプラスとなっています。金利の下落にも強い商品となっています。ただし、アクティブ型の物価連動債を見ると3年のトータルリターンは、プラス運用のNOMURA-BPIとは異なり1%弱のマイナスとなっています。

 人手不足による人件費高騰で物価が上昇するリスクを考えると物価連動債での運用は手段の一つと言えそうです。

アクティブ型

 国内株式に投資するファンドから、償還日の設定がなく、3年間の年率リターンが上位3ファンドを抽出しました。

 私がアクティブ型を選ぶときの絶対3条件は、

  • 過去3年のリターンがインデックス型を上回っていること
  • 運用が安定していること
  • 分配金頻度が少ないこと

 3ファンドともインデックス型の過去3年で約2%のリターンを上回っており、2.6%〜5.7%となっています。

 ただし、「三井住友TAM-CBオープン」は、他のファンドのように国債を中心とする中長期債で運用するのではなく、転換社債で運用していることに注意が必要です。

国内債券・アクティブ型・償還日設定無し・リータン(3年)降順
ファンド名 委託会社 ファンド分類詳細 純資産(百万円) 販売金額ランキング 信託報酬 信託財産留保額 決算頻度 トータルリターン(6ヶ月) トータルリターン(1年) トータルリターン(3年)
三井住友TAM−CBオープン 三井住友トラスト・AM 国内債券・転換社債 4,242 155 0.756% 0% 年1回 4.54 5.17 5.76
エス・ビー・日本債券ファンド 大和住銀投信投資顧問 国内債券・中長期債 10,730   0.8856% 0% 年2回 -1.65 0.57 2.66
明治安田日本債券ファンド 明治安田AM 国内債券・中長期債 3,349 268 0.594 0 年1回 -2.12 -0.27 2.6

(SBI証券より(2017/3/10現在))

2017年選ぶべき銘柄

 表はアクティブ型の5つの投資信託を3年間のトータルリターンの高い順で並べたものです。結果2017年に選ぶべき銘柄は、

  1. 三井住友TAM-CBオープン
  2. エス・ビー・日本債券ファンド
  3. 明治安田日本債券ファンド

の順となります。

選考理由

 CBオープンを1位にした理由は、

  • 3年のリターンが最も高い
  • 3年のシャープレシオが最も高い

単純にこの2点から選びました。 

勝手にベストファンド2017【国内債券編】

 今年国内債券で投資すべき、投資信託はインデックス型から「eMAXIS Slime国内債券となります。次点で「たわらノーロード国内債券」、「eMAXIS 物価連動国債」がつづきます。

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アクティブ型を選ばなかった理由

 なぜ債券としては比較的高リターンが得られるアクティブ型を選択しなかったか。それは、インデックス型を上回る3ファンドにはリスクがあり、他のリスク資産と相関が高くなるためです。

 eMAXIS 国内債券インデックスの評価解説|ノーロード投資信託ガイドの解説で、

国内債券インデックスファンドは、リターン目的というよりも他資産クラスとの相関の低さからアセットアロケーションに組入れるものです。

 とあるように、リーマンショックのような金融危機においても、保有資産におけるリスクを低減する保険のようなものだと考える必要があります。

 リーマンショックでは、資産の減少のみならず、リバンランスにより国内債券からリスク資産へ資産を移動できたかできなかったかはその後の運用成績に大きく影響が出ます。

リーマンショック前後における価格変動

 下のグラフは「アクティブ型「三井住友TAM-CBオープン」」の2007年〜2009年の基準価格。2007年夏のピーク13700円(分配金再投資)から2009年3月には10400円を切るところまで約24%下落しており、リスクが大きいものだと言えます。

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 下のグラフは「インデックスが型「三井住友日本債券インデックスファンド」」の2007年〜2009年の基準価格。多少の下落はあるものの一貫して上昇しています。f:id:monkey_papa:20170404064434p:plain

 日本債券をアセットアロケーションに組込む理由がリスクを抑えることであることを考えると、日本債券においてアクティブ型を選ぶ理由はなく、リスク資産の割合を高めた方がリターンが大きくなりそうなことがわかります。

ベストファンド2017のまとめ記事はこちら

www.gakushi-investment.com