韓国の外貨準備高の推移と長期データのダウンロード方法

　慰安婦像の問題により協議が中断している日韓スワップに関連して今回は韓国の外貨準備高の推移とダウンロード方法について記載します。

　中国やカナダとはスワップ協定を締結できたようなので、日韓スワップはしばらく話題に上がらなさそうです。

　韓国の外貨準備高は２０１５年末時点で世界７位となっています。

外貨準備高とは？

外貨準備高とはについては次の引用（コトバンクより）のとおりです。

外国為替相場を安定させる目的で、各国の通貨当局が外国為替市場へ介入するために保有している資産の額。日本では財務省と日本銀行が持つ外貨の総額を指し、毎月財務省が詳細を発表している。日本の外貨準備高は世界一の水準で、うち米債を含む外国証券が約75％を占め、残りは外貨預金やゴールド。通貨危機などで他国に対して外貨建債務の返済などが困難になった際、通貨当局が為替介入に使用する原資として使用するほか、国が輸入代金の決済や、借金の返済などの対外支払いに充てるために持つ公的な準備資産としても使用されている。

韓国の外貨準備高の推移

　経済の急成長により１９６０年から１９９０年ごろの数字が潰れてしまっています。今回は通貨危機にも注目し、

１９６０年からの推移（全データ）
１９９５年からの推移

に分けてグラフ化しています。

過去２度の通貨危機

　韓国には過去に２度の通貨危機がありました。１回目が１９９７年。IMFの救済により危機を乗り越えることができました。

　２回目は２００８年のリーマンショック時です。韓国産業銀行がリーマンブラザーズにとどめを刺し、そして自国の通貨危機につながるという皮肉な結果となりました。

　この時はアメリカ、中国、韓国の通貨スワップにより乗り越えました。

（１９６０年以降の外貨準備高の推移（単位１０億USドル））

　韓国は経済成長に合わせ外貨準備高を増加させています。１９９７年の通貨危機ではグラフ上の減少幅は小さくなっていますが、４０％の減少となっています。２００８年の通貨危機は減少額は大きいですが、２３％の減少となっています。

韓国外貨準備高の推移・増加率（１９６０年移行）

（2000年以降の外貨準備高の推移（単位１０億USドル））

　近年のみを見た場合、２度の通貨危機以外は順調に積み上げており、２００９年以降２０１５年まで７年連続の増加となっています。

韓国外貨準備高の推移・増加率（１９９５年移行）

韓国の外貨準備高の年次データ

　上のグラフの数値データは次表のとおりです。

(10億USドル）	00年	01年	02年	03年	04年	05年	06年	07年	08年	09年
1960年代	0.2	0.2	0.2	0.1	0.1	0.1	0.2	0.4	0.4	0.6
1970年代	0.6	0.4	0.5	0.9	0.3	0.8	2.0	3.0	2.8	3.1
1980年代	3.1	2.8	2.9	2.5	2.8	3.0	3.4	3.7	12.5	15.3
1990年代	14.9	13.8	17.2	20.4	25.8	32.8	34.2	20.5	52.1	74.1
2000年代	96.3	102.9	121.5	155.5	199.2	210.6	239.1	262.5	201.5	270.4
2010年代	292.1	306.9	327.7	345.7	362.8	366.7	371.1