エクセルがあれば投資の将来シミュレーションが可能!
リスクは低いほうがいい。誰しもがそう思っていると思いますが、リターンも欲しい。リターン3%でリスク8%の投資信託とリターン8%でリスク13%の投資信託のどちらが自分に合っているのか?
誰しもが大切なお金の行く末を心配します。それは投資する期間の長さや目標で異なって来ます。
そう行った心配を解消する計算がモンテカルロ法による将来シミュレーションです。
以前、ルートT倍法を使った定額積立投資の計算方法を紹介しましたが、より現実的な方法なので、モンテカルロ法による計算をオススメします。
(参考)ルートT倍法による運用結果の将来シミュレーション方法
モンテカルロ法とは?別名はランダム法?
聞きなれない言葉ですが、この言葉は金融の専門用語ではありません。
モンテカルロ法 (モンテカルロほう、英: Monte Carlo method, MC) とはシミュレーションや数値計算を乱数を用いて行う手法の総称。元々は、中性子が物質中を動き回る様子を探るためにスタニスワフ・ウラムが考案しジョン・フォン・ノイマンにより命名された手法。カジノで有名な国家モナコ公国の4つの地区(カルティ)の1つであるモンテカルロから名付けられた。ランダム法とも呼ばれる。*1
単に乱数を使って計算を行うことをさすようです。
乱数によりリターンとリスクに従った正規分布を作る方法
リターンとリスクに従った正規分布を乱数を用いて作る方法については、次の記事で紹介しています。
=NORM.INV(RAND(),リターン(平均),リスク(標準偏差))
となります。
そもそも投資信託のリターンは正規分布なの?という質問には次の記事で検証を行って間違いないことを確認していますので、ご覧ください。
1万円が20年後いくらになるかを計算
仮にリターン5%、リスク10%として1万円が20年後にいくらになるか、エクセルを使ってモンテカルロ法により計算してみました。
自身で計算する場合は自分に合った方法でやってみてください。
下の図のようになります。リターンとリスクを%表示でそれぞれ「B1、B2」に入力しました。
「B4」に当初の投資額1万円を。
そして、先ほど紹介した式を使った計算式を1年後の計算結果のセルである「B5」に入力します。
一つ上のセル(1年前の金額)にNORM.INV関数とRAND関数を組み合わせて仮に作ったリターン(期待値は5%)を乗じます。それを20年後まで繰り返します。
積立の計算をする場合は、計算式の最後にその年の投資額を足してあげます。
こんな感じで赤字のところを追加します。
=B5*(1+NORM.INV(RAND(),$B$1,$B$2)/100)+追加投資額
パターンは複数必要ですので、全く足りませんが、5パターン(No.1〜No.5)をやってみました。
これをグラフにするとこんな感じになります。
1万円を5%で20年運用した時の期待値が26500円くらいですので、NO.1とNO.4は平均的なパターンとなります。良い時期も悪い時期もありながら、上昇しています。
なかにはNO.5のように20年しても元本割れしてしまっているものもあります。
わずか5パターンで行ったモンテカルロ法には意味がありません。私はいつも5000パターンから10,000パターンの計算をします。
モンテカルロ法での計算回数について、南海ぐらいすればいいのか?色々なパターンで検討して見ました。
たった100回ですが、100回やるとグラフはこんな感じになります。
なにがなんだか全くわからないモジャモジャグラフになってしまいました。さすがに、このグラフ自体には意味はありません。現時点では、計算してみただけの話です。
LARGE関数により結果の順位を整理
上のグラフには意味がないので、元のデータの順位を整理し将来予測の結果を出します。
手順は次の順です。
パターンを1000個作って1000回計算しました。年数は同じく20年です。パターンは多ければ多いほどいいと思いますが、パターンと年数が増えれば増えるほどPCが不安定になるので、PCのスペックにあった回数にしてください。
次はLARGE関数を使い1000この計算結果から、上位5%といった具合に任意の順位にいる計算結果を抽出します。
LARGE関数は=LARGE(範囲、上位からの順位)
で表されます。
下の=LARGE(B6:B1005,50)はB6からB1005までの1000個のデータの上位50番目の値を抽出ということになります。
リターン5%、リスク10%の場合の20年間の将来シミュレーション1000回分の計算結果は次のようになります。
上記の結果では下位5%でも2万円を超えており、2倍になることがわかります。中位である上位50%は5万7千円と若干期待値を下回りますが、投資では低く見積もった方が良いと考えているので、これくらいがちょうどいい感じだとおもわれます。
計算回数は1000回だと線が若干ですが滑らかとは言えない部分があります。もう少し増やした方がよさそうです。
この記事で紹介したモンテカルロ法は、毎月にも変更可能ですし、カスタマイズで積立額の変更も可能です。ぜひ試してください。
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さらに簡単、リターンだけで積立投資のシミューレーションを行う方法です。スマホの関数電卓でもできちゃうので、ちょっとした計算におすすめです。