リータンとリスクについて
第1弾のリターン編に引き続き、資産運用に必要なリターンとリスクの知識に関するシリーズ第2弾はリスクについてです。
前回のリターンに関する記事はこちら。
gakushi-investment.hatenablog.com
リスクの意味
リスクはリターンの振れ幅
リスクはリターンの不確実性。つまりリターンの振れ幅がリスクとなります。
下のグラフはAの商品は振れ幅が全くありませんので、リスクが0%になります。そしてBとCを比較すると、Cの方が振れ幅が大きいのでリスクが高い商品となります。
リスクとリターンは一体
一般的にリスクが大きなものは「ハイリスク・ハイリターン」、リスクが小さいものは「ローリスク・ローリターン」となります。
ハイリスクハイリターンを選択した場合、リスクが大きくなり、大きな利益を生む可能性も、大きな損失となるの可能性も増えることとなります。
つまり、ポートフォリオ(アセットアロケーション)を考えるときは商品のリスクとリターンを考慮して、自身の目的に合った設定を行うことが大切です。
リターンを3ステップで簡単計算!
先ほどのグラフでは当初は10,000円だった投資信託が5年後に20,000円になったと仮定した3つのパターンの投資信託をイメージしたものです。
リスクの場合と異なり、A,B,Cの3つのパターンの5年間のリスクは大きく異なります。
Aは変動幅がなくリスクは0%なので、今回は変動幅が中程度の投資信託Bで計算してみます。
リスクの計算は次の式になります
nは計算する年数、Xiは毎年のリターン、Xバーはリターンの平均値となりますので、上の式は次のとおりとなります。
この計算式のままでは難しいので、3ステップでわかりやすく計算していきたいと思います。
この3ステップを理解すればエクセルで簡単にリスクの計算を行うことができます。
ステップ1:毎年のリターンと平均値を求める
まずはBの毎年のリターンと平均値を求めます。
リターンは1年間の価格変動をを基準価格で割ることで求められますので、
最初の1年のリターンは
(9,500ー10,000)÷10,000=-5.0% となり、
平均値はリターンの合計を足した個数で割るだけ(今回は5年なので5で割る)なので、
(-5.0%+57.9%+20.0%-11.1%+25.0%)÷5=17.4%となります。
基準価格 | リターン | |
---|---|---|
当初 | 10,000 | |
1年後 | 9,500 | -5.0% |
2年後 | 15,000 | 57.9% |
3年後 | 18,000 | 20.0% |
4年後 | 16,000 | -11.1% |
5年後 | 20,000 | 25.0% |
平均値 | 17.4% |
ステップ2:リターンと平均値の差の2乗とその合計を求める
次にリターンと平均値の差を求め、さらに2乗します。
1年目で計算してみると
-5.0(1年目のリターン)-17.4(リターンの平均値)=-22.4 (リターンと平均値の差)
その2乗は
-22.4^2=-22.4×-22.4=501.8
となります。この計算を5年分繰り返し、合計すると3,018.8となります。
リターン | 平均値 | (リターン)-(平均値) | ((リターン)-(平均値))^2 | |
---|---|---|---|---|
1年後 | -5.0 | 17.4 | -22.4 | 501.8 |
2年後 | 57.9 | 40.5 | 1640.3 | |
3年後 | 20.0 | 2.6 | 6.8 | |
4年後 | -11.1 | -28.5 | 812.3 | |
5年後 | 25.0 | 7.6 | 57.8 | |
合計 | 3,018.8 |
ステップ3:分散を求めて標準偏差にする
次に、ステップ2で求めた合計3018.8を計算する年数(=今回は5年)で割ったものの平方根をとることでリスクを求めることができます。
これが投資信託Bのリスクとなります。
リスクをエクセルで計算する方法
ここまで紹介したリスクをエクセルで簡単に計算する方法はこちらの記事。
gakushi-investment.hatenablog.com
合わせて読みたいリスクとリターンの話
第1弾のリターン編はこちら