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ほったらかし投資の達人

子育ては18歳まで!ときめて大学進学費用をジュニアニーサを利用して準備。もちろん老後のための資産形成もやっています。

9月会合の「総括的検証」でマイナス金利の見直しの可能性が浮上

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7月の日銀金融政策決定会合での総裁談話

 7月29日の日銀金融政策決定会合後の総裁定例記者会見での黒田総裁は『次回の金融政策決定会合において、「量的・質的金融緩和」導入以降の経済・物価動向や政策効果について総括的な検証を行うこととしま した。2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するためには、今後 何が必要か、という観点から検証を行っていきたいと思います。』(日銀総裁記者会見要旨より)と発言しています。

 これは総裁の任期が迫る中、早期に物価上昇2%を達成するためこれまでの金融政策を総括し、物価上昇達成のためのさらなる手段を検討すること。

 また、市場から評判が芳しくないマイナス金利導入の効果を検証するため。この2点が大きな理由ではないかと考えられます。

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マイナス金利導入の目的

 マイナス金利導入の大きな目的は銀行が日銀に預けることで1年に2000億円もの金利を得られていた当座預金の金利をマイナスとすることで、市場に資金を供給すること、そして金利の低下による企業活動の支援、住宅ローンの金利低下による消費の底上げが大きな目的でした。

マイナス金利によるメリット・デメリット

 マイナス金利導入から6ヶ月近くが経過しマイナス金利によるメリット・デメリットが出てきています。

 メリットとしては

  • 企業が資金を調達する際の金利低下による負担軽減(結果利益の増大につながる)
  • フラット35の金利が1%を切るなど住宅ローン金利低下による住宅建設の増加(1月から前年同月比で増加)
  • 国債金利の低下による政府の資金調達の支援(既発債も含め金利負担が相当雨軽減されました)
  • 金利低下により運用先が預金からリスク資産に変更されることによる投資環境の改善

 デメリットとしては

  • 貸出金利、国債金利の低下による金融機関の業績悪化(3メガバンクの利益が前年同期比3割減)
  • 同じく保険業界の業績悪化(商品の新規募集停止、安定した運用先の喪失)
  • 企業年金の損失発生(国債など安定資産での運用がメインの企業年金、特に小規模であるほど運用なんに見舞われそうです)
  • 預金金利低下による消費マインドの低下

以上のメリットデメリットの他にも多方面に良くも悪くも影響が出ているマイナス金利ですが、そもそも政策的には劇薬であるため導入1年にも満たないうちに評価することは難しいと思われます。

9月の総括的検証でのマイナス金利見直しについて

 個人的にはある程度の効果があったと思っているマイナス金利ですが、総裁が日銀の事務方に指示した総括的検証の結果を受け新たな緩和に動くとの予想も市場ではありますが、マイナス金利について言えば拡大も撤回も現状では非常に難しいと考えられます。

 拡大が難しい理由としては、マイナス金利の導入により金利が低下し、これ以上の低下の余地がないこと、そして銀行・保険業界への業績悪化への影響が大きいこと、最後に何と言ってもマイナス金利導入の評判が悪いことが挙げあられます。

 また、撤回が難しいことの理由としては、短期間での政策の変更は日銀の信用を揺るがすこと、撤回により金利が上昇した場合には、企業や個人への貸出金利が上昇しさらに消費マインドを低下させ、同時国債も暴落するため国債を運用する機関に大きな影響を与えること。日銀が大量の国債を購入しいている状況ではマイナス金利でも国債の運用で利益が出るため現状維持が一番良いのかもしれません。 

 最後に、国債購入の拡大についてですが、記者会見で黒田総裁はまだ市場に2/3の国債があると発言していますが 、実際は上記記事でも記載したとおり、ファンドや保険などは国債を長期保有する必要があること、そして国債の担保としての機能を考えると難しいと言えます。つまり国債購入の拡大が難しい現状ではマイナス金利による資金供給をすぐに止めることは難しいと考えられます。

 9月の金融政策決定会合は総括的検証の結果を受けて行われるため相当注目を集めることとなります。金融政策の方向転換はないと思いますが、物価上昇目標が達成されていない現状では縮小されることはないと思いますので、現状維持か追加緩和となるとおもわれます。追加緩和となっても日銀が取るべき手段は現実的に考えて広くないため7月の緩和のように失望売りにつながる可能性もあります。