国債を中心とした投資信託に長期積立投資したらどうなる?
インデックスファンドにドルコスト平均法で長期投資した場合の運用結果を過去データからシミュレーション。第二弾は国債にクローズアップします。
日本の債券は本当に危機においても強いのか?安定して利益が得られるのか?そしてリーマンショックのような経済危機が起きても大丈夫なのかを検証してみました。
第1弾のJ-REIT同様に投資信託の運用手数料の影響も比較してみましたので、長期でコツコツとほったらかし投資で資産形成をしたい方は参考にしてください。
ドルコスト平均法の優位性はこちらの記事
gakushi-investment.hatenablog.com
J-REITに長期積立投資した場合の記事はこちら
gakushi-investment.hatenablog.com
運用条件
- 手数料を考慮しないシミュレーションサイトと実際の投資信託で比較
- 投資方法はドルコスト平均法とし毎月1万円の積立設定
- 運用期間は2003年4月〜2016年10月の162ヶ月に計162万円を投資
- 途中での売却・解約は行わない
シミュレーションサイト(手数料なし)
野村の「funds-i」のホームページの「つみたてシミュレーション」で試算。過去の市場指数を基に算出されるシミュレーション結果であるため、取引コスト等を考慮していないため実際のファンドの運用結果とはことなり純粋な市場指数による結果となります。
投資信託(ホワイトウィング)
実際に販売されている投資信託は長期のデータ(2000年1月〜)が入手可能だった、「明治安田日本債券ファンド【愛称:ホワイトウィング】」で計算。運用条件は次のとおりです。
- Funds-iでシミュレーション可能な2003年4月以降で比較
- 購入時手数料は0円(ノーロード)の証券会社(SBIなど)で購入
- 運用管理手数料は年率0.594%(税込)
- 分配金があった場合は全分配金を再投資
- 現在はニーサがあるので、分配金にかかる税金は考慮しない
シミュレーション結果!やっぱり安定の日本国債!
運用結果のまとめは下表のとおりとなります。いずれも運用益が約30万円でており評価額がいずれも20%弱の増加となっています。
そして今回も両者の運用益の間には運用益の約1割となる3万円の差が生じました。これは今回計算に利用した明治安田のホワイトウィングは手数料が年0.594%と大和から発売されているifreeの0.14%と比較すると年0.45%強も高くなっておりこの差が出たものと思われます。
シミュレーション サイト(Funds-i) |
明治安田 ホワイトウイング | |
---|---|---|
手数料 | 考慮しない | 0.594% |
積立総額 | 1,620,000 | 1,620,000 |
評価額 | 1,929,822 | 1,902,621 |
運用損益 | 309,822 | 282,621 |
差 | 27,201 |
今回は国債を中心にした投資信託ということで、日本国債の強みが出た結果となりました。下のグラフは損益を表示したものになりますが、株式やREITを対象とした投資信託とは異なり大きなリターンはないものの安定して利益が得られるローリスク・ローリターンな運用先となっています。
最初の一年は2%を超えるマイナスになったこともありますが、リーマンショック直後の2008年10月の約−0.3%となったもののそれを最後にプラスで推移しています。
これらからも日本の国債がいかに信頼されており安定しているかがわかります。
シミュレーションサイトによる結果
ホワイトウィングによるシミュレーション結果
今後の国債への運用
現状では日銀が量的・質的緩和の中で大量に国債を購入しています。短期の国債はマイナス金利に10年以上の長期国債も低金利になっていることからイールド曲線が平坦になり運用益を上げる幅は小さくなると考えられます。
また将来金利が上昇することがあればさらに利幅は小さくなりますが、安定した運用先であることは間違いありません。
マイナス金利でも利益が出る仕組みはこちらの記事で解説しています。
gakushi-investment.hatenablog.com
最後におさらい「ドルコスト平均法」
gakushi-investment.hatenablog.com