インデッックスファンドに長期積立投資したらどうなる?
ドルコスト平均法の優位性はこちらの記事で書いたとおりですが、実際に運用した場合に本当に利益が得られるのか?そしてリーマンショックのような経済の急縮が起きても大丈夫なのかを検証してみました。
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投資信託の運用手数料の影響も比較してみましたので、長期でコツコツとほったらかし投資で資産形成をしたい方は参考にしてください。
運用の条件
- 手数料を考慮しないシミュレーションサイトと実際の投資信託で比較
- 運用期間は2004年1月〜2016年9月の153ヶ月に計153万円を投資
- 投資方法はドルコスト平均法とし毎月1万円の積立設定
- 途中での売却・解約は行わない
シミュレーションサイト(手数料なし)
野村の「funds-i」のホームページの「つみたてシミュレーション」で試算。過去の市場指数を基に算出されるシミュレーション結果であるため、取引コスト等を考慮していないため実際のファンドの運用結果とはことなり純粋な市場指数による結果となります。
投資信託
実際に販売されている投資信託は長期のデータ(2003年11月〜)が入手可能だった、「MHAM J-REITインデックスファンド(毎月決算型)【ビルオーナー】」で計算。運用条件は次のとおりです。
- 購入時手数料は0円(ノーロード)の証券会社(SBIなど)で購入
- 運用管理手数料は年率0.702%(税込)
- 毎月の分配金は全て再投資に設定
シミュレーション結果!運用手数料の影響は大きかった!
運用結果のまとめは下表のとおりとなります。いずれも運用益が100万円以上でており評価額がいずれも75〜85%増加しています。。ここからも「ドルコスト平均法」と「複利運用」による長期ほったらかし投資がいかに優れているかがわかるとおもいます。
ただし、両者の間には12年強の間に18万円近い差が生じました。この原因としてはファンドと指数の日々の乖離もありますが、一番大きなものは投資信託にかかる運用管理手数料です。
今回計算に利用したビルオーナーは年0.702%と大和から発売されているifreeの0.29%と比較すると年0.4%強も高くなっておりこの差が出たものと思われます。
市場指数を基準とするインデックスファンドに投資する際の投資信託選びは手数料を意識して購入することが重要といえる結果になりました。
シミュレーション サイト |
ビルオーナー | |
---|---|---|
手数料 | 考慮しない | 0.702% |
積立総額 | 1,530,000 | 1,530,000 |
評価額 | 2,869,831 | 2,692,196 |
運用損益 | 1,339,831 | 1,162,196 |
差 | 177,635 |
試算サイトによるシミュレーション結果
ビルオーナーによるシミュレーション結果
リーマンショックの影響は?
上の二つのグラフをみると評価額が投資額を下回る期間があります。大きな理由は2007年の世界緊急危機と2008年のリーマンショックを原因とする世界経済の緊縮で金融資産の価値が急落したものによるものです。
リーマンショックで資産は半減
グラフでは2007年5月には評価額がピークとなり約30万円(+73%)の利益を出していましたが、両危機の後の2008年11月にそこを記録し、評価損が約25万円(ー42%)と投資額の60%となりました。
その後2012年10月からは安定して運用損益はプラスに転じています。
ドルコスト平均法はこうした経済危機を好機ととらえて、同じ積立額でも投資口数を増やして購入できた部分がアベノミクス後に多くの利益を生んでいます。
世界金融危機・リーマンショックで売却できていた場合
誰しもがリーマンショックといった経済危機ではリスクを軽減し、より大きなリターンを得たいと考えるのではないでしょうか?
2007年の金融危機時には、サブプライムローン問題が顕著になり大きな問題となっていましたので下落開始時の2007年10年に全て売却し、その分を2009年3月に再投資した場合は次のようなグラフになります。
結果としては、評価額が371万円と投資額の2.4倍になっています。
今後予想されるリーマンショックのような大規模な経済危機としては、中国経済の崩壊が考えられますので、その際は適切なリスクオフが必要となりそうです。
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