年率r%の金融商品に20年30年と継続して積立投資をしたらどんな結果を生むのか?
今回は一定の期間にわたり、定額を定率で投資運用した場合の運用結果を求める式を紹介します。
利益の再投資はべき乗の結果を生みます
ほったらかし投資では、配当金や分配金も再投資することで配当が配当を生み「べき乗」で資産が増えます。その効果については次の記事で書いています。
べき乗で増える前提では、投資期間が長期であれば、より有利となります。これを知るだけでも今回の計算式がワクワクしてきます。
一定額を積み立てた結果を求める計算式は?
まずは今回は一定の期間「n」にわたり、定額「a」円をr%で投資した場合の運用結果を求める式を紹介します。その計算式は次のとおりです。なお、R=(1+r)となります。
実際の計算
上記の計算式を使い年単位・月単位の2通りで具体的な計算を行ってみます。
年単位の計算
50年間にわたり毎年12万円(計600万円)を年率5%で運用した場合、
なんと毎年12万円の投資を50年間続けると、元金600万円が4倍以上の約2,500万円となります。
月単位の計算
月単位で計算する場合は年率で表示されているリターン(%)を毎月のリターンにする面倒な計算が必要となります。
毎月のリターンを12回かけると1.05になる数字を求めます。すると計算式は次のようになります。
12で割ったらダメなの?といわれたら、答えは「ダメ」です。12で割った答えは下のとおりで、上記とは異なる数字となります。これはリターンが大きいほど(例えば10%とか)結果が大きくなり計算結果が過大になるのでやめましょう。
上の計算が難しいという方は年単位の計算でざっくり求めましょう。
前置きが長くなりましたが、毎月1万円を50年間(600ヶ月で計600万円)にわたり年率5%で運用した結果を求めます。
結果は年単位で計算するよりも50万円ほど大きくなりました。でも月単位は面倒なので、将来予測は年単位の結果で十分だと思います。
計算式の証明(等比数列の和の公式)
計算式を紹介しましたが、この式の証明についても載せておきます。
1年目からn年後までの合計を Sn とすると、運用結果は、
Sn=a+aR+arR^2+aR^3+ …… +aR^n-1 ・・・・(1)
となります。これでは最初に載せた計算式になりません。
そこで、もう一年運用したとして、式(1)に R を掛けると、
R×Sn=aR+aR^2+aR^3+ …… +aR^(n-1)+aR^N ・・・・(2)
となります。そして、(1)ー(2)の計算を行ないます。
そうすると、
となり、この計算結果から、Snをもとめると最初に紹介した式である
となります。これは等比数列の和の計算で高校の数学で習います。