投資においてアセットアロケーションを決める際に重要になってくるアセットクラス間の相関係数をエクセルで求める方法を紹介します。
エクセル関数を使ったアセットクラス間の相関係数の求め方
相関係数とは?
wikipediaによると相関係数とは、
相関係数(そうかんけいすう、英: correlation coefficient)は、2つの確率変数のの間にある線形な関係の強弱を測る指標である。相関係数は無次元量で、−1以上1以下の実数に値をとる。相関係数が正のとき確率変数には正の相関が、負のとき確率変数には負の相関があるという。また相関係数が0のとき確率変数は無相関であるという。
とあります。
2つの数字の関係の傾向の強さを数値で示したもので、例えば、身長が高い人は体重も重くなる傾向は正の相関を示し、失業率が上がると経済の成長率は下落すると行った傾向は負の相関を示します。
下の表に示すように1に近いほど相関関係が強くなり0に近づくと相関関係が低くなります。
投資における相関係数の考え方
分散投資を行う際には、相関関係が弱い資産に分散投資することで、価格の下落リスクに備え、そして下落時にはリバランスにより下落しなかった資産(債券)から下落した資産(株式)を多く買うことでより収益を上げる効果があります。
eMAXISの各ファンド間の10年10月から15年7月までの相関係数は下の表のようになります。
株式同士の相関は比較て高いのに比べ、国内債券と他資産の相関の多くが負になっています。分散投資においては、一般的には国内債券とリスク資産を組みわせてアセットアロケーションを作成することが多くなります。
今回は実際に国内株式(TOPIX)と先進国株式の相関係数(0.644)をエクセルで計算します。
超簡単!エクセルで相関係数を計算する方法
実際に投資信託の相関係数を計算していきます。
月次リターンのデータを用意する
必要なデータは相関係数を求めたい期間の月次リターンになります。対象とする投資信託の月次データは投資信託のモーニングスターから簡単にダウンロードできます。
低コストのファンドのデータは短期間しか入手できない場合が多いのでインデックスに連動するファンドであれば他の長期間運用されているファンドのデータで代用も可能です。
(モーニングスター:月次リータンのダウンロード画面)
CORREL関数を使って相関係数を求める
最後にエクセルで相関係数を求めます。10年10月から15年7月の国内株式(TOPIX)と先進国株式の相関係数は0.644なので同じ数字が出れば正解となります。
使用する関数は相関係数を求める「CORREL(コリレーション)」関数 のみです。
用意した2列の月次リターンのデータ範囲を指定するだけです。下の図であれば、
「=correl(TOPIXのデータセル:先進国株式のデータセル)」となります。
結果は0.644と同じ数字となりましたのでやり方として正しいこととなります。
参考に2つのリターンを分散グラフにしてみました。横軸がTOPIX、縦軸が先進国株式。なんとなく右肩上がりで相関があることがわかります。
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日次データしか入手できない場合は、次の方法で月末だけの値を抽出してください。
投資信託のリターンとリスクをエクセルで求める方法です。すごく簡単に求めることができます。