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ほったらかし投資の達人

子育ては18歳まで!ときめて大学進学費用をジュニアニーサを利用して準備。もちろん老後のための資産形成もやっています。

株式投資のリターンを正規分布で考えていいのか検証してみました

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 投資のリターンとリクスを用いた将来の運用結果を推測する際に、リターンが正規分布であるならばという前提がつきます。

   先日職場の後輩から「本当に正規分布を前提をすることは正しいのですか?」と聞かれた際に、私は「そう考えるしか無い」と曖昧な答えしかできませんでした。

    今回はこの前提条件が適切なものなのかについて、S&P500指数のデータを使い検証してみました。

S&P500指数について

 「S&P500種指数(Standard and Poor's 500 Index)は、時価総額加重平均指数。全主要業種を代表する500銘柄で構成され、米国経済のパフォーマンスを表す。」とあります*1

S&P500指数の長期チャート

 長期チャートを見ると指数は1990年ごろから急激に上がっているように見えます。そして、2000年ごろのITバブル崩壊と2008年のリーマンショックによる落ち込みはインパクトのあるものとなっています。

 1990年以前は横ばいに見えますが、指数が小さいため指数が大きく伸びてもグラフ上では潰れてしまいわかりにくくなっています。

 次の項では隔年ごとのリターンを整理してSP500指数の凄さをみてみたいと思います。

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(出典:https://finance.yahoo.com/

S&P500の90年分のリータンを整理

    今回は『私のインデックス』さんで配当込みの年次リターンデータが公表されていましたので、それを独自にグラフ化しています。

各年のリターン(ドルベース・配当込み)

 アメリカ株に投資する際の最適なインデックスがS&P500指数と考えていますが、結果としては、過去90年間で21年がマイナス、69年がプラスとなっています。勝率が約8割ととてつもない指数となっています。

 さらに3年連続のマイナスは2回しかなく、最後のマイナスが2008年のリーマンショック時となります。そして2009年以降は連続してプラスの結果を残しています。

f:id:monkey_papa:20170513134450p:plain

 1926年末の指数が13.49となっており、この時にSP500指数に投資した人が、それをほったらかしておいたとすると、90年後の2016年末には78,095と約5,800倍になります。 

 このデータから、リターンとリスク(標準偏差)を求めると、

  • リターン=10.1%
  • リスク(標準偏差)=19.9%

 となります。

 

 リスクとリターンのエクセルを使った求め方は、3分でわかる!リターンとリスクの計算方法 〜エクセルで計算編〜を参考にして下さい。

リターンのヒストグラム

 リータンの出現頻度をまとめると次のようになります。中央値が約10%と90年間の年率リターン10.1%と大きく乖離しませんでした。平均値については約12%と少し大きめで、最も頻度が多かったのが30%〜32%の7回と若干山の頂点が右にずれていると推測されます。

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株式投資のリターンは正規分布となっているかの検証

 検証は「視覚的確認」と「法則による検定」により行います。

視覚的確認

ヒストグラム確認

 先ほどのヒストグラムに平均10.1、標準偏差19.9の正規分布の曲線を追加しました。

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 グラフを見ると実際のほうが少し広く広がっていること、リーマンショックなどの急落時のマイナスデータの頻度が多く見えますが、正規分布にある程度従っていることがうかがえます。

QQプロットによる確認

 QQプロットとは、実測値が正規分布に従う場合の期待値をY軸、実測値そのものをX軸にとった確率プロットになります。

 観測値を昇順に並べた順位からパーセンタイル(累積確率)を求め、正規分布の確率密度関数の逆関数を用いて期待値を予測する。

    プロットが一直線上に並べば、観測値は正規分布に従っていると考えられる。

(出典:正規Q-Qプロット | 統計用語集 | 統計WEBより)

 

 実際にS&P500指数のデータでQQプロットを作成しました。その結果プロットした青点はほぼ一直線に並んでいることがわかります。

 つまり、SP500指数のリターンは正規分布であるということが視覚的にいえることがわかりました。

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法則による検定

 視覚的な確認とは別に補足による検証を行います。まずは分布の歪みを示す歪度と尖度を、そしてそれを用いたジャック=ベラ検定で正規分布の検証を行います。

歪度と尖度

 歪度(わいど)と尖度(せんど)はエクセルで簡単に求めることができます。

 歪度は「=SKEW(データのセル範囲)」、尖度は「=KURT(データセルの範囲)」 で求められます。

 SP500指数の場合、歪度が-0.417、尖度が0.115となりました。

 つまり、山の頂点が正規分布より若干右にシフト、山の頂点が正規分布より若干尖っているということがわかりました。頂点が右にずれているのは視覚的に確認した時の傾向があっていることが数値的に確認できました。しかし、山の頂点は少し違っている結果となりました。

ジャック=ベラ検定

 最後に歪度と尖度を使ったジャック=ベラ検定を行います。この検定は標本データが正規分布に従う尖度と歪度を有しているかを調べる適合度検定であり、次のように定義されます

 JB=n/6×(S^2+K^2/4))  

n:標本数、S:歪度、K:尖度 となります。一般にJBが6未満であれば、標本が正規分布であるといえます。

 SP500のリターンについてジャックーベラ検定を行った結果は2.65でした。つまり正規分布であることが確認できました。

まとめ

 株式投資のリターンを正規分布という前提でリターンとリスク(標準偏差)σを用いて将来を予測することは適切な手法であることが検証できました。

 投資運用を行うにあたり、統計学の素晴らしさ大切さを誰もが認識できる本は「統計学が最強の学問」がオススメです。 


 

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